なむざっき

QMA2からアロエを溺愛し続ける人が趣味について綴る雑記

素材を活かせていない残念作 - 『劇場版ポケモンBW 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒』感想


先週、『劇場版ポケットモンスターベストウイッシュ 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒』を鑑賞しました。

ブログを書く余力がなかったこともあって、前作、前々作の感想は書けずじまいだったのですが、今回は色々と思うところがあったので、久々に感想を書いてみます。一部ネタバレが含まれているのでご注意ください。


はじめに結論から言ってしまうと、今作はハズレでした。

ハズレという結論に至ったのは、やはりポケモン」という素材をほとんど活かせていなかったのが大きいです。ゲノセクトミュウツーも全然自分らしさを活かせていなかった。

ポケモン」はそれぞれユニークな設定が盛り込まれたキャラクターの集合で、「伝説のポケモン」や「幻のポケモン」といった特別なポケモンになると、他より一層濃い設定が盛り込まれているものです。

例えば、今回のミュウツーには「覚醒によって新たなフォルムに変身する」という新設定が盛り込まれています。当然、鑑賞する側としては覚醒体がどれだけ重要な役割を果たすのか、と期待するわけです。しかし、実際にはただの一時的なパワーアップ形態にしか使われておらず、「なぜ覚醒できるのか」、「覚醒体が凄い!」といった、覚醒したミュウツーならではの要素はほとんどありませんでした。

ゲノセクトにしても同じで、「装備しているカセットにより色が変わる」という設定は「異なるカセットを挿した4体のゲノセクト」という形で反映されていますが、カセットによる違いはほとんど描画されていませんでした。アクアカセットのゲノセクトだけホームシックな一面を見せていますが、それはアクアカセットじゃなくて他のカセットでも一緒のことができるわけで、アクアカセットのゲノセクトならではの要素とは言えません

今作は「ポケモン」という素材を活かせてないだけではなく、制作者らが拝借した過去の資産も活かせてないのがキツい。

今作のミュウツーは『ミュウツーの逆襲』のものとは別個体ですが、『ミュウツーの逆襲』で描いた偉大さを背景にしているのは周知の通り。しかも自身の悩み(造られたポケモンの存在意義)も映画が始まった時点で克服済みなので、ゲノセクトに説教をするポケモンとしか機能していない。しかも傷だらけで瀕死になる描写など、あまり強そうにも見えない。

かつて偉大だったミュウツーが、他の普通のポケモンみたいな行動をしていたり、ひ弱な姿をしたりしていると、『ミュウツーの逆襲』版ミュウツーを知る者としては悲しくなるわけです。懐古ユーザー狙いなのに、懐古心にロクに訴えないのは致命的としか思えません。

ポケモン独自の設定を活かしてこそのポケモンアニメ・ポケモン映画だと私は思っていますので、そのワクワクがあまり得られなかった今作は残念ながら低評価にせざるを得ません。評価の低さは歴代最低作の『烈空の訪問者デオキシス』に匹敵するほどです*1

*1:ミュウツーへの期待が評価に盛り込まれている点もあるので、一概にどちらがより悪いとは言えませんが。